日対研(跡地)

旧 特定非営利活動法人 日本対性暴力研究所

2017年3月に解散した日本対性暴力研究所の研究開発の記録を保管・公開しています。

第9章 回復への長い道を、共に

いよいよ最終章になりました。このページを読み始めた頃と、レイプに対する考え方が変わったと思います。きっと読者は自問されるでしょう。どのタイミングで被害者に支援をすると伝えるのか? どのように話を切り出すのか? 本当に自分の心の準備は出来ているのか?

自分を信じてください。不安があれば、自分に次のように言い聞かせてください。「答える前に考えないと。確信がもてない限り、黙っている方がいい。考える時間を持とう。」このように考えることで被害者との会話を一時中断することができます。被害者を傷つける言葉を発してしまっても心配しないでください。取り返しはつきます。だれにでも間違えはありますし、間違って言ってしまった事は訂正が出来ます。でも必ず被害者に謝罪する必要があります。

例えば「パーティーに行かずに大人しく家にいたらこんな事は起こらなかった」と言うような罪悪感を与えるような話し方をしてしまったら、被害者に次のとおり言ってください。

  • 「家にいればよかったと言ってしまったけれど、それは間違いだった。考えてみたの、私だってたまに夜でかける、それは当たり前なことだからそうしている、私も見知らぬ人と話しをする、あなたにはまったく責任はない。この間の話で、あなたが罪悪感に苛まれたのなら、それは私の意図することではない。いろいろと調べたら、レイプ被害者は皆、罪悪感に苛まれる見たいだけれど、あなたもそうなの?」

質問で終えて、会話を続けるようにしてください。被害者に何を言われても安心感を与える答えをしてください。現在と未来は同じである必要はありません。被害者のネガティブな思考の中のポジティブな部分を評価することで被害者は安心感を覚えます。例えば、

  • 「失業した事が、あなたにとって非常に辛いのは理解できる。でも、やれることは全てやった、無理に出勤もしてみた。風邪をこじらせると、ドクター・ストップをかけられる。あなたはトラウマを抱えながらも仕事を続けた。本当に頑張ったと思う。」

近い将来と未来については、常にポジティブな思考で被害者と会話をしてください。最初から無理だと思って接すれば、それを被害者は感じてしまします。レイプ被害者は1日では立ち直りません。数ヶ月、数年、少しつづよくなって行くものです。自分の人生を再構築するのですから、急いではいけません。だからと言って、ポジティブな思考を隠してはいけません。あなたが未来を信じなければ、被害者も信じなくなります。

全てのレイプ被害者が立ち直れる、と言えば嘘になります。でも、あなたが支援しようとしている被害者には、あなたと言う支援者がついています。加害者を嫌悪する立場を決して崩さないでください。被害者に悪事への嫌悪感を呼び起こしてください。被害者には、全く責任がない事を理解させてください。同じことを、繰り返さなければいけないでしょう、1歩進んだと思ったらまた後退するかもしれません。辛抱強さを保ち、被害者を励ます言葉を常に前進への道のりだと思ってください。

あなたは被害者を支援できます、そして被害者は立ち直れます。

おわりに(開発終了によせて)

Deliverance fo Sexual Assault Survivor は、標準的なフェミニズム団体が主張している性暴力被害に関する考え方に沿って書かれているため、犯罪統計などの扱いに関する記述で、政治的な正しさが優先されており、事実とは言えない記述や論理的な矛盾が存在していますが、開発終了につき修正されていません。ですが、被害者支援においては、それらは問題とはならないと判断し、修正を施さず公開しています。

執筆者:中野十三

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